阿修羅像
仏教の神髄
奈良・興福寺の「阿修羅像」をご存知ですか。
阿修羅は本来仏教に対して邪魔をする悪神でした。
お釈迦様が説法していると、野次ったりつぶしに掛かったりしようとします。
が、どこで野次ろうか、どこで邪魔しようかと説法を聞いているうちに聞き惚れてしまって、ついに仏教信者になってしまいました。
阿修羅は説法を聞いているうちにすっかり童心になり、体は大人の大きさでも戦うべき筋肉も無くなり、細く少年のような顔つきに成りました。
表情は微笑みをたたえ、頬をあからめています。
これこそ、仏法を聞く喜びで、仏教信者の喜びに満ちています。
また、身につけている衣装の優美なこと!
ゆるやかに波打ち、シフォンのようです。
この高貴な姿から、かっての悪神の面影はありません。
お釈迦様の説法でいかに心洗われるか、仏教の神髄に触れる気がします。