自灯明 法灯明  (じとうみょう ほうとうみょう)

阿難(アナン)尊者

お釈迦様の臨終のお世話をしたのは、多聞第一と言われた阿難(アナン)尊者です。
十大弟子の一人で、多聞とはお釈迦様の説法を一番多く聞いた人という意味です。
尊者はお釈迦様に聞きました。
「お師匠様亡き後、私は何をよりどころにいきてゆけばいいのでしょうか。」
お釈迦様は伏せたまま、「自灯明 法灯明」と答えられました。

自分をともしびとして、自分をよりどころとして生きていきなさい。
法(真理・お釈迦様の教え)をよりどころとして、他のものをよりどころにしてはいけません。

修行真っただ中

この6字の、なんと重い意味でしょうか。
社会的地位・学歴・財産・愛情などのあてにならないものを頼ってはいけない、と言われています。
今の今まで大切だと思っていたものが、実はよりどころに値するものではなかったのです。
自分を大切にして磨き、自分を心の支えとして生きていく。
真理を求めて、他のものを心に入り込ませてはいけない。
これは仏教のみならず、広く世界に通用する考え方です。
お釈迦様は時空を越えて、今の私たちに「自灯明 法灯明」と言われています。

死ぬまで修行…とよく言います。
修行真っただ中の私たち、素晴らしい先人の導きにしっかと向き合ってみませんか。