仏事の心得18か条⑦

正座の忍耐時間は最低10分

「正座」は儀礼の一つである。
お通夜や告別式で僧の読経が始まったら、男性はあぐら、女性は横座りをすぐやめて、最初の
10分間ぐらいは正しく座りたいものである。
それが葬送の礼でもある。

正座の仕方は、両膝の間を握りこぶし(約15センチ)ぐらいあけ、目は5メートルほど前方に注いで座る。
右足の親指の上に左の親指を重ね、長座の時は親指の重ねを変える。
背筋を伸ばし、尻をどっかりと据え、頭が左右に傾かないようにして顎を引く。
左手に数珠をかけ、合掌した手の親指を互いに交叉して、左手で右手の甲をおおい、上腿に伏せて置く。
起立するときは、右手を床について両膝頭で腰を上げ、左足から立ち上がる。

ただ、今の時代は正座する儀式より、椅子に座っての儀式がほとんどだが、椅子であろうが儀礼の一つであることには変わりない。
なお式場では仏前に近いほうが上位で、向かって左側の上位を「上座」という。
上座には喪主(施主)が座る。

                                    忌と喪と斂より