仏事の心得18か条④
死んだときの様子を聞かない
お悔みは述べても、先方から言い出さないかぎり、こちらから死んだときの様子を尋ねないほうがよい。
弔問客は自分と遺族とをつい一対一と思いがちで、死に至る過程をあれこれ聞きたがるものである。
特に田舎では尋ねてやるのも弔問のうちといわれるが、都会では(特別に親しい場合を除いて)やめたほうが無難である。
遺族は大勢の弔問客を相手にしなければならず、その一人ひとりに詳しく説明していたらきりがないし、同じ応答の繰り返しでは神経がすり減ってしまう。
まさか、テープで聞かせるわけにもいくまい。
故人の死に際の様子は、わざわざ聞かなくても自然に耳に入るものである。
近ごろ都会では、死の模様を紙に書いて、玄関先など弔問客の目につく場所に貼り出す家も現れたりする。
味気ないともいえるが、これも都会の「合理性」と「断絶」がなせるわざであろう。
もっとも最近では、防犯上の理由もあり、自宅等には何の知らせも貼り出さない家がほとんどである。
忌と喪と斂より