仏事の心得18か条②

敬虔な心が自ずから合掌となる

ことわざに「鳩は数珠懸け、田螺は袈裟懸け」という。
ハトの首には数珠を掛けたような模様があり、田んぼのタニシは袈裟を掛けたような姿をしている。
仏教はこのような生きとし生けるものに至るまで広く行きわたっている、という意味である。

数珠は長いものは二環にし、短いものはそのまま左手に掛け(宗派による)、拝むときはそれを親指と人差し指の間に掛け直す。
合掌は、左右の指と掌(手のひら)を密着させる。
中指の頭が喉の高さ、親指が軽く胸に触れ、肘を張らず自然に垂れる。
静止した合掌の中に、深心敬虔な態度を宿すことが肝要である。

よく数珠を押し揉んでガチャガチャ鳴らす人がいるが、品が無いので慎むべきである。
葬儀などで導師が数珠を摺ることもあるが、それは他の僧侶に何事かを知らせようとする合図である。

                                    忌と喪と斂より