「お彼岸」とは何ですか。

「お彼岸」とは河の向う岸のことです。
でも何故、春秋の二季の修養週間を「お彼岸」というのか、ご一緒に少し考えてみましょう。

 河のこちら側=此岸(しがん)と、向う側=彼岸(ひがん)は、河の底ではつながっていますが、間に河が流れていて、離ればなれの別物でもあります。
しかし河を舟で渡るか、橋をかけて渡るか、頑張って泳いで渡るかすれば、彼岸に渡れないわけではありません。
渡ればつながる此岸の世界と彼岸の世界は渡らなければ、よその国です。

仏教ではこちら側、此岸を迷の世界に、向う側を悟りの世界に見たてて「彼岸」くわしくは「到彼岸」といい、その此岸から彼岸に渡るべく努める修養週間を親しみをこめて「お彼岸」といったのです。
「お彼岸」の七日間は春分・秋分の、太陽が真東から出て、真西へ入る中道になぞらえられたお中日を中心に、ほどこす・つつしむ・がまんする・はげむ・心をしずめる・智慧をみがく、などの河を渡る六つの修行法を前後に三日づつ配したものですが、さてあなたにとって、舟や橋や泳ぎにあたるものは何でしょうか。

いろいろな宗派がありますが、橋まで自分でかけるか、舟は、泳ぎは、とよく反省してみて下さい。

     「お彼岸」。昔の人はうまい表し方をするものですね。